※2022年の最新隔離ホテル一覧とオススメのホテルを記事はこちら。
香港では、2021年3月28日時点で入国の際には21日間の強制隔離が必要だ。それも、政府が指定した30軒のホテルでしかできない。そもそも、香港は香港の居住者でなければ入国が認められていないが、昨年は自宅での隔離が許されていた。それが昨年の11月辺りに一気に厳しくなり、香港政府指定のホテルでの滞在が必要となった。予め選ばれた30軒のホテルの中(全部で8,300室分)から、自分のベストを選ぶということになる。注意点は、部屋数に上限があるということだ。よって、できれば香港出国前に、かつフライトチケットを購入前に予約することをオススメする。
では、一体どのホテルを選べば良いのだろうか?
香港政府指定の隔離ホテル一覧(4月21日から6月19日まで)
(地区とアルファベット順)
Central and Western District
- Best Western Plus Hotel Hong Kong
- CM+ Hotels & Serviced Apartments
- Grand City Hotel
- JEN Hong Kong by Shangri-La
- Lan Kwai Fong Hotel @ Kau U Fong
- One-Eight-One Hotel & Serviced Residences
- Ramada Hong Kong Harbour View
- The Landmark Mandarin Oriental Hong Kong
Eastern DIstrict
- Ramada Hong Kong Grand View Islands
Islands DIstrict
- Four Points by Sheraton Hong Kong Tung Chung
- Regal Airport Hotel
Kowloon City District
- Bridal Tea House Hotel Hung Hom Gillies Avenue South
- iclub Ma Tau Wai Hotel
- Kerry Hotel, Hong Kong
- Metropark Hotel Kowloon Hong Kong
- Regal Oriental Hotel
Kwai Tsing District
- Dorsett Tsuen Wan, Hong Kong
Southern District
- Nina Hotel Island South (Formerly L’hotel Island South)
- Ovolo Southside
Tsuen Wan District
- Silka Far East Hotel Hong Kong
Wan Chai District
- Best Western Hotel Causeway Bay
- Dorsett Wanchai Hong Kong
- Hotel Indigo Hong Kong Island
- Mira Moon Hotel
- Vela Boutique Hotel
Wong Tai Sin District
- Pentahotel Hong Kong, Kowloon
Yau Tsim Mong District
- Bridal Tea House Hotel Yau Ma Tei Wing Sing Lane
- Dorsett Mongkok Hong Kong
- Ramada Hong Kong Grand
- Silka Seaview Hotel Hong Kong
選ぶ際の基準
僕は3回(2週間、2週間、3週間)隔離生活を経験した。その経験から、隔離ホテルを決める際の基準を重要だと思う順で紹介したい。
価格
まずは、価格。これは安ければ安いほど良いというわけでもない。
香港政府指定のホテルは、政府負担ではなく個人負担となる。よって、元々香港でホテル暮らしをしているか、新たに就労ビザ等が承認されて入国をする方以外は、基本的にはマンション暮らしと想定できるため、ただでさえ高額な香港の家賃を払うのに加えて、21日間のホテル代を支払うことが求められる。30軒あるホテルの内、1泊500香港ドル(約7,000円)以下のホテルが13件、合計で2,800室、全体の34%を占める。1,000香港ドル(約1万4千円)以下であれば7,000室、84%となる。
それでも僕は、1泊1,900香港ドル(約27,000円)もするシャングリラグループのケリーホテル(Kerry Hotel)を予約した。普通に考えればかなり高いが、隔離ホテルとして使う場合はむしろ安いのでは、と考えた。なぜなら、部屋の外の世界と繋がるためにはホテルのサービスが欠かせないし、価格の中には、3食の食事、ホテルのサービス(フロントサービス、ルームサービス、ジムの貸し出し、など)などが含まれるから。
仮にケリーホテルのレストランで食事をした場合、朝食は3000円、昼食は5000円、夕食は7000円ぐらいするだろう。それだけでも、もう15000円となる。
よって部屋代が差し引き、12000円とすると、5つ星ホテルとしてはかなり安い。実際、ケリーホテルの通常料金は、食事なしで1泊3万円だ。
部屋の広さ
次に部屋の広さ。
強制隔離ということは、ホテルの部屋から一歩も外に出られないことを意味する。言葉で理解するのは単純なことだが、体験するとこれが結構キツイ。十分な広さがなければ、筋トレをするためのヨガマットも敷けない。部屋が狭いと自然と一日の歩数も少なくなるため、基礎代謝が減る。よって、筋力が落ちる、太る、の悪循環。
下の画像は、僕は以前に14日間の強制隔離生活を行ったときの歩数のデータだ(部屋の広さは25平米)。いつもは平均8,000歩程歩くが、隔離中は酷いときは147歩、よく歩いたときでも1,947歩だった。隔離生活後には、心がけてたくさん歩いたものの、元の状態に戻るのには、2-3週間を要した。つまり、部屋の広さは、体のバランスに影響を及ぼす。
よって、部屋の広さは、大きければ大きいほど良い。僕の感覚では、自分が普段住んでいる部屋と同等もしくはそれ以上が必要だ。

食事
香港政府指定のホテルは、3食の食事が付いている。お得と思う人もいるかもしれないが、裏を返せば、何を食べるかは自分ではコントロールできず、ホテルのキッチン(厨房)のレベルに依存することになる。そんな中、ケリーホテルなどの一部のホテルは運動不足気味になりそうな宿泊者を気遣って、糖質制限のメニューに変えたり、ベジタリアン、グルテンフリーなど、5つ星ホテルとしては当たり前のきめ細やかにメニューに変更してくれる。実際に僕も糖質制限メニューをお願いしたところ、その日中に変更してくれた。(詳細は別の記事で紹介予定)
21日間の強制隔離中に食べるのは、63食分。それがすべてコントロールができないことを想像してみてほしい。体に異変が出るのは明らかだ。
ホテルのサービスレベル
部屋の中と外の世界を繋ぐのは、ホテルのスタッフに依存する。何かをお願いしたい場合に、ホテルのスタッフが最高のサービスをしてくれるのはかなり安心材料になる。実際、ケリーホテルでは、コンシェルジュホットラインに電話をすると、必ず1回の呼び鈴で応答をしてくれ、大変助かった。普段仕事で営業のKPI等を決定している身としては、これもどうやってここまで徹底しているのか、秘密を教えて欲しいと思うほどだった。また、日本語が話せるスタッフが何回か電話もしてくれた。
こちらが会議中などで電話をかけられない場合は、WhatsAppでチャットをする仕組みもあり、そこで問い合わせてもすぐに返答してくれた。コーヒーカプセルやお茶を追加で注文したり、アイスコーヒー用の氷をお願いしたり、部屋に溜まった誇りを取るために掃除機を借りたり、本当に色々とお世話になった。
宿泊者用のFacebookのコミュニティも作られており、みんなで励ましあったり、スタッフがキッチンで300人分の食事を作る動画を流したり、部屋の中でできるトレーニング、中国語や日本語の簡単なレッスンなど、スタッフと宿泊者が交流する場として使われていた。もちろん、実際には会えないが、きめ細やかなサービスには感動した。
窓の開閉とバルコニーの有無
多くのホテルでは建築基準法的な理由なのか、窓が開かないように設計されている。よって、ホテルの部屋から出られないとなると外気には一切触れられないことを意味する。バルコニー(ベランダ)は、殆どのホテルで付いていない。
ケリーホテルの僕が宿泊した部屋(滞在記)は、残念ながら窓は開かなかった。一部の部屋には、バルコニーがあるようだ。
ホテルの場所
これは、プラスアルファと思うが、予算に余裕がある場合は、できれば都心のホテルを選択したい。なぜなら、いくら3食の食事が付いていると言っても、たまには自分で食べたいものを注文したくなる。UberEats、Deliveroo、Food Pandaなどのデリバリーエリア内にレストランの数が多いほど選択肢が増える。
以上が香港で隔離ホテルを選ぶための僕が重要だと思った基準である。会社の経費で泊まれる人はもちろんのこと、私費の場合でもKerry Hotel(ケリーホテル)をお勧めする。
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未希 諒
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