2018年、道後温泉にオープンした日本旅館『道後御湯』は、モダンな建築美だけでなく、スタッフのサービスが際立つ宿だった。今回は、その詳細をお届けする。
宿の紹介
建築家の言葉として、公式サイトで次のように紹介されている。
道後御湯の“主役”は心のこもった「おせったい」(伊予ことばでおもてなしのこと)であり、四季や時間によって刻々とうつろう草花や陰影の無限のグラデーションであり、仄かに漂う橘(変わらぬもの、永遠を表す道後御湯のシンボル)の香りです。
「現代湯治」というコンセプトに込められた「癒し」とは、これら形のないものに対して私たちが本来持っていながら、慌ただしい日常の中ですり減ってしまった繊細な感受性を回復することです。建築の役目は、表面的な<和モダン>の流行に倣うことでも、ましてや空間を飾り立てて訪れる人々の目を驚かすことでもなく、そのような「癒し」のためにすうっと透き通った空気でこの場所全体をふわりと包み込むことにありました。
そのような思いから、道後御湯では「和」が形式化された装飾的要素ではなく、日本的空間を特徴づける身体的なプロポーション感覚や陰影との親和性、限られた素材と形態の組み合わせに見いだされる研ぎ澄まされた“簡にして素”の美と機能性という普遍的な原理として密やかに顕われるよう、腐心しています。
道後御湯に滞在される皆さまが、慌ただしい日常の中で失いかけていた繊細さを自然に取り戻し、それによって自らを癒やす力を回復できる場となることを願っています。
エントランス
まずは、宿の外観ライトアップでお出迎え。静かな道後温泉エリアにおいて、圧倒的な存在感を放つ。

お昼に一旦荷物をお預けておいた際に宿泊客の服装の印象を対応したスタッフが覚え、それを他のスタッフと共有しているからなのか、エントランスに近づくと、外資系の高級ホテルのようにサササッとコンシェルジュの方が近づいて来てくれて、「◯◯様、お待ちしておりました」とお出迎えしてくれた。このコンシェルジュとは面識がなく、どのように筆者の名前が分かったのか、本当に手品のようだった。マンダリンオリエンタルのコンシェルジュも全ての宿泊客の名前を予め覚えていると言っていたが、こういうきめ細やかなサービスがあるから顧客満足度が上がるのだろう。

ロビー
ロビーはモダンな内装でまとめられ、奥にはライブラリーが。

『NIKITATSU ライブラリーラウンジ』

興味深い雑誌や、コーヒーマシンがあり、ここでくつろぐことができる。

通常、紙コップを起きがちだが、ここも地元の陶器のカップがあり、素敵だった。

みかんが盛んな地域ということもあり、みかんのハンドクリームの試供品もあった。

お部屋
部屋は、52㎡と日本のホテルの中でも最大級の広さ。高級外資系のホテル(シャングリ・ラ東京|マンダリンオリエンタル|東京エディション虎ノ門)並みの広さ。目の前の扉がトイレ、奥にミニバー、右手にベッドルーム、奥に和室のくつろぎスペース、ミニバーの奥が浴室となっている。

玄関も広く、靴を履くときに腰掛けられるベンチがある。

下駄の用意も。

室内用のスリッパもある。

洋室エリアは、18.6㎡。

クイーンサイズベッド(?)が2つ。かなり快適。

ベッドのヘッドボードには照明用のスイッチと輝度を調整できるダイヤル。

ベッドの向かい側がクローゼット。

引出しの中には浴衣。

部屋着。

羽織。一般的な温泉旅館より高級感のあるデザイン。スタイリッシュ。

靴の手入れをするためのシューケア。

和室は、8畳。大きなソファとテーブル。

その奥には、広いベランダもある。

ソファからお部屋側を見る、一風変わったエリアが。石のお庭のアートなのだろうか?

大型のテレビ。

空気清浄機。

ベランダ。

バスルーム
バスルームは、洗面台、シャワーエリア、露天風呂があり、この空間もモダンなデザイン。

アメニティも高級アメニティ。

袋の中には、男女で違うアメニティが入っていた。青色の袋には、ひげ剃り、タオル、クシ、コットン。赤色の袋には、ひげ剃りが入っていない代わりに、シャワーキャップ、髪留めのゴムが入っている。


ドライヤーは、パナソニック製。

アメニティはもう1種類。

伊予柑と瀬戸内檸檬の良い香りがするフェイシャル&ハンドソープ。

シャワーエリアは、グレーで統一されていて、広々としている。窓もあるため開放感がある。

露天風呂。ちなみに、部屋に入ったときにはお風呂は溜まっていなかったのに、スタッフの方が部屋の案内を終了したときには溜まっていた… ミラクル。

休むエリアも。

この部屋着、かなり肌触りがよく、買って帰りたいと思った!

ミニバー
ミニバーには、電気ポット、急須、和菓子、ティーバッグ、コーヒー、ミネラルウォーター、栓抜き。それに加えて、今治のタオルがサービスでもらえた。

引き出しの中には、地元の陶器。コップと湯呑、ガラスコップがある。

冷蔵庫の中には、冷えたミネラルウォーター、ペリエ、アサヒビール、みかん・デコポンジュース、お茶。これ全部無料。

仕事の環境
インターネットの速度
WiFiのスピードはかなり速い。

デスク周り
デスクは、そこまで広くないが、少しの間作業をする程度であれば問題ない。

基本情報
ホテルを比較した際に、特に違いが出やすい空間、機能、施設、サービスなどを比較。各カテゴリーに対応している場合は「⭕」が、対応していない場合は「❌」が付いている。定性的なかつ主観が入るようなものは、筆者の独断。判断基準の1つとなっているのは、この記事で。
空間演出
エンターテイメント
- ⭕ 間接照明
- ❌ 観葉植物
- ❌ 天上の高さ
- ⭕ 部屋からの景色
- ❌ YouTube対応テレビ
- ❌ ミラーリング機能
- ❌ スピーカー
- ❌ レコード
- ⭕ ミニバーのセレクション
お風呂
- ⭕ 浴槽・大浴場・サウナ
- ⭕ シャワーの水圧
- ⭕ ウォシュレット付き
- ❌ 体重計
- ⭕ 豪華なアメニティ
- ❌ マウスウォッシュ
寝室
- ⭕ 高級マットレス
- ⭕ スーツケースを開く台
滞在時間
- ⭕ 15時前のチェックイン
- ❌ 12時以降のチェックアウト
仕事関連
- ❌ 外部モニター
- ❌ 可動式デスク
- ⭕ WiFiの速度
- ❌ レターセット
- ❌ ケーブルの貸し出し
- ❌ USB-Cのポート
その他の施設・サービス
- ❌ 荷物の受取り・部屋へデリバリー
- ❌ ランドリーサービス〈有料〉
- ❌ ジム
- ❌ プール
- ⭕ スパ・マッサージ
- ❌ 美容院
- ⭕ 傘の貸し出し
- ❌ 荷物の長期保管
ホテルの場所・アクセス
最寄り駅は、道後温泉駅。そこから徒歩で10分。重たい荷物がある場合は、タクシーに乗ろう。2分で到着する。
タクシーを利用する場合は、配車アプリ『GO TAXI』が便利でお得。アプリをダウンロード後にクーポンコード『mf-pjah3t』を入れてもらえれば、今なら5,000円のクーポンが付与される。キャンペーンが終わっても2,000円のクーポンが付与されるのでぜひ。
予約方法
予約は、Booking.com、Agodaなどが良いだろう。色んなサービスが複合されたパッケージを予約したい場合は、一休 が良いことが多い。
今回の宿泊に関して
料金
今回は、一休のプラン『【食事なし】 自由きままにお気軽シンプルステイプラン 』、部屋のタイプは『【プレミア】 温泉露天風呂付和洋室 <禁煙> (和洋室)』を予約し、大人2名で46,820円。
感想
一休のクチコミランキングで、堂々の四国第2位の評価。宿泊客のお出迎え、客室の案内などを始めとする外資系高級ホテルのようなサービス、それにお部屋の内装デザインとクオリティ。すべてが良かった。食事なしのプランしか予約できなかったのが残念だったが、次回はレストランでの食事も検討したい。決して安くはないが、十分に価値のある滞在となった。
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