香港は、12月29日時点で新型コロナ市中感染確認82日連続ゼロに抑えられている。海外渡航者による輸入性を入れても一日あたり平均一桁に抑えられており、その対策は厳しすぎるという論評もある一方で、感染は確実に抑え込めている。だが、この厳しい対策による副作用は少なくなく、香港在住者の間で不満が高まっているのも事実だ。日本もまだまだ謎が多いウィルスに対して試行錯誤しながら難しい判断を迫られている。今回は、香港と日本の新型コロナウィルス対策を統計データなどで比較しながら、人命・経済・少子化・教育・企業の生産性という視点で考えていたいと思う。

香港・日本の新型コロナに関するデータ

まずは、良くニュースでも見かける新型コロナの基本的なデータを見てみる。以下データは、日経新聞の特設サイトに掲載されているアジア各国から引用している。

 

新規感染者数

2020年1月24日から12月22日までの過去11ヶ月間の1日あたりの新規感染者数をヒートマップで表されている。日本は、218人に対して香港は、8人。比較がしやすいように人口当たりで割ってあげると日本は1.72人(100万人あたり)、香港は1.07人。日本は、香港に比べて1.6倍新規感染者数が多い。

Nikkei covid data

 

新規死者数

同様に新規死者数を参照すると、日経新聞のデータでは四捨五入されていて日本は1日あたり2人、香港は0人となっているが、Googleの統計データを見ると累計死者数は日本は18,380人、香港は213人なので、100万人当りでは日本は146人、香港は28人。日本の累計死者数は香港の5.2倍。新規感染者数が1.6倍だったことを考えると、日本で医療崩壊があったときの影響と思われる。つまり、医療崩壊があると一気に死亡確率が上がるということが推測できる(香港では医療崩壊は起こっていない)。

Nikkei covid data

 

累計感染者数の増加ペース

累計感染者数の増加ペースもアジア各国は欧州などと比較しても最近では爆発的な感染は抑えられている。

 

累計死者数の増加ペース

累計死者数は、日本は18,380人、香港は213人。どちらの国も増加ペースは、コントロールできているように思う。上記の通りだが、100万人当りでは日本は146人、香港は28人。香港の人数の少なさが際立つ。

Nikkei covid data

 

香港はどうやって新規感染者数・死者数を抑えているのか?

一言でまとめるなら、世界保健機関(WHO)が推奨している SOCIAL DISTANCE (ソーシャルディスタンス)をあらゆる場面でみんなが守るように対策が徹底されている。念の為おさらいだが、SOCIAL DISTANCEとは、人と人の物理的な距離を保つことで感染が広がるのを防ぐ方法で、飲食店内のテーブルの間隔から入国の際の隔離ホテルなど、多岐に渡る。では順番に見ていこう。

 

世界でもっとも厳しい水際対策

香港の水際対策は徹底している。12月23日現在では、ワクチン接種を2回終わった香港居住者でなければ入境が認められていない。各国の感染者数に応じて、3つのグループ Group A(ハイリスク国)、B(中リスク国)、C(低リスク国)に分け、それぞれにおいて入国要件が変わる。例えば、日本から香港へ入境する場合は12月23日時点ではGroup A(ハイリスク国)に該当し、以下が求められる(一部、在香港日本国総領事館ホームページより抜粋)。

日本の水際対策と決定的に違うのは、そもそも感染者数が多い国からはフライトの制限をしているということだろう。直近7日間に同一出発地からの同一航空会社で4名以上の感染者が出た場合は、同一ルートを14日間停止するという厳しい措置。これでオミクロン株が香港に到着する数も抑えているが、実際に渡航する側の視点としては、前日までフライトがキャンセルになる可能性があり調整が困難。予約したホテル代(約20万〜200万円)は返金されない。

さらに、渡航前に21日間の指定検閲ホテル(強制隔離ホテル)での予約が必要で、着率後は空港でGPSを腕に付けられ、24時間ずっと付けたままになるため絶対に部屋からは出られない。隔離中も何度もPCR検査をするために担当者が部屋までやってくる。

詳細は↓

GPS

入国制限

1 24日(金)午前0時以降に香港向け航空機に搭乗する全ての旅客は、出発予定時刻の48時間前以内(これまでは72時間前以内)に採取した検体のウイルス検査陰性結果の提出を要する。香港に入境しないトランジットのみの旅客も同様の措置を適用する。
なお、その他の検査方法等の要件は、下記領事メールの通りで変更がない。
○新型コロナ(その111:香港政府による日本の「高リスク国」指定(検査機関情報の追加))
https://www.hk.emb-japan.go.jp/itpr_ja/corona_2021_111.html

2 航空機の到着規制に関し、同一出発地からの同一航空会社の香港到着旅客便に7日以内に4名以上の新型コロナウィルス感染者が確認された場合、同ルートのフライトを14日間停止する。これまでは、同一出発地からの同一航空会社の香港到着旅客便に2名以上の新型コロナウィルス感染者が出るケースが7日間の中で2回以上確認された場合が同措置の対象であった。)

3 21日(火)から、グループAに指定されている国の内、観察強化対象国からの入境者は、入境から4日間はPenny’sBay検疫センターで義務的検疫を受け、その後17日間は指定ホテルで義務的検疫を受ける。また入境から7日間は毎日、その後14日間は隔日でウイルス検査を受ける。21日(火)から27日(月)を移行期間とし、28日(火)以降は搭乗時に17泊以上の指定ホテル宿泊予約の提示が必要となる。
なお、日本は21日(火)時点においてグループA国に指定されているが、観察強化対象国ではないので本措置の対象外である。

 

PCR検査陰性証明書

24日(金)午前0時以降に香港向け航空機に搭乗する全ての旅客は、出発予定時刻の48時間前以内(これまでは72時間前以内)に採取した検体のウイルス検査陰性結果の提出を要する。香港に入境しないトランジットのみの旅客も同様の措置を適用する。

○ 検査証明書の要件
1 検査方法 : PCR検査(※LAMP検査、抗体検査、抗原検査は不可)
 ※検体採取方法(鼻咽頭ぬぐいえき、唾液等)の指定は無し
 
2 検査機関 : ISO15189の認定または、政府機関の認定のある研究所または医療機関
 
3 必要書類(英語または中国語)
(1)以下の事項を含む陰性証明書
 (ア)旅行者の名前(パスポート等の渡航文書と同じ名前の記載が必要)
 (イ)検体採取の時刻(飛行機出発時刻の前72時間以内)
 (ウ)検査方法
  ※様式任意、医師のサイン等は不要。電子証明でも良いが、紙を推奨する。
(2)上記検査機関がISO15189または政府機関の認定を受けていることを示す証明書
  ※研究所や医療機関自体ではなく、第三者(認定機関や政府機関など)が発行したもの。

1 これを受けて当館より香港政府に対し照会した結果、経済産業省及び厚生労働省が運営する「TeCOT(海外渡航者新型コロナウイルス検査センター)」に登録されている医療等機関は上記「政府機関の認定する研究所または医療機関」として認められる旨の確認を得たところ、お知らせします。
 ついては、下記のTeCOTサイトより、注意事項等をご確認の上PCR検査が可能な医療機関を検索してください。
○ TeCOT(海外渡航者新型コロナウイルス検査センターTesting Center for Overseas Travelers)
https://www.tecot.go.jp/rmii/
 
2 香港入境の際には、英文のPCR検査証明書とともに、以下の「新型コロナウイルス検査証明機関登録簿(英語版)PDFファイル」の全てのページを印刷の上、携行するようお願いします。
○「新型コロナウイルス検査証明機関登録簿(英語版)PDFファイル」
https://www.tecot.go.jp/wp-content/uploads/pdf/tourokubo_english.pdf
 
3 なお、18日領事メール(その110)でご案内したとおり、ご準備頂くのはISO15189の認定を有する検査機関によるPCR検査証明でも問題ありません。その場合には、検査を受けられた機関のISO15189認定証明書を携行するようお願いします。

 

指定検疫ホテルの予約票

日本から香港へ入境の場合は、香港政府が指定したホテルの中から空いているホテルを選び、21日間の予約票が必要。これが大変!クリスマス、年末、旧正月が続く12月、1月、2月は、隔離ホテルの部屋数が足りず、入国できずに足止めを食らうことに。航空会社が運休して、同日の振替ができなかった場合などの理由があったとしても、入境は認められていないので注意が必要だ。

Designated Hotels for Quarantine

現時点では、2月末までほとんどのホテルで満室になっており、また3月以降の隔離ホテルは発表されていないため、ホテルも予約を受け付けていないところがほとんどだ。

 

ワクチン接種証明書

香港在住の日本人であれば、だいたいの人が2021年5月頃までにはワクチン接種済みだとは思うが、そうでない場合は日本で接種後に香港へ戻ることも可能。

○ ワクチン接種証明書の要件等については、以下をご確認ください。

 ● CHP香港コロナ関連サイト「Documentary proof for completion of vaccination (if applicable)
 ・ワクチン完全接種者とは、接種後14日以上経過している者をいいます。

 ● CHP香港コロナ関連サイト「What is meant by “fully vaccinated”?
 ・日本で自治体において発行されるワクチンパスポートは証明書として認められます。詳細は以下の厚労省HP及び接種した自治体にご確認ください。

 ● 厚労省HP:海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書について

 ● 領事メール:新型コロナ(その121:海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)について)

 
  

健康申告の入力

健康申告の入力は、以下のリンクから香港到着前にする方がスムーズ。

 ● CHP香港コロナ関連サイト:「Welcome to use “Health & Quarantine Information Declaration”

Self declaration

 

ワクチン接種

水際対策を徹底して海外からの流入を防いだ上に、ワクチンの接種率も上げるよう推し進めている。

香港の ワクチン接種対策 の初動は日本よりだいぶ早かった。2021年2月より順次オンラインで各自でワクチンの種類(ファイザー・シノバック)、医療機関を選ぶ方式でかなり自由度のあるスタイルだった。尚、既に3度目のブースター接種も開始されている。一方で、完全接種率は日本の方が高い。その原因と言われているのは、政府に対する不信感と新規感染者数が少ない国においてそもそも接種する必要がないという意見を良く耳にする。

 

マスクの義務化・罰金制度の導入

さらに、屋内屋外を問わずマスクの着用を義務化し、違反した場合には最大5,000香港ドル(約7万円)の罰金を科される。

 

行動追跡アプリの徹底

飲食店や美術館などの施設に入るときは、『LeaveHomeSafe』という行動追跡アプリでQRコードを読み取り、足跡を付けないと入店できない。守らなかった飲食店側にも罰則があり、結構守られているように感じる。追跡を嫌う香港人は、紙に名前と電話番号を書く。更に、飲食店の従業員のワクチン接種状況に応じて営業時間の制限が決まる等、厳しい要件をクリアしたときには通常に営業できるなど徹底されている。

余談だが、市中感染が30人〜100人ぐらいに増えていた2020年頃は、完全にロックダウンされていて、飲食店は、18時以降はテイクアウトのみに変えなければならず、当時は多くのお店が潰れていった。

 

厳しい水際対策・行動制限による副作用

香港は、厳しいコロナ対策をすることで新規感染者数・死亡者数ともに低く抑えられているが、厳しくするあまりその副作用が多くの業界で出ていることは忘れてはならない。1日あたりの市中感染が約30人以上になった昨年はすぐに行動制限がかかり、飲食店やジムなどは難しい経営を強いられた。それでも基本的に助成金はない。ホテル業界も瀕死状態で、稼働率は日本よりも低い30%以下だ。

では、この厳しすぎると言われている感染対策は、人命・経済・少子化・教育・企業の生産性という観点で考えた場合、本当に正しい戦略と言えるのだろうか?ということだ。

そして、香港と日本はお互いから学べることはあるだろうか?

 

人命

ひまわり

香港

「The Government of the Hong Kong Special Administrative Region」の発表によると香港の2020年の全死亡者数は、50,666人。死因は悪性新生物(腫傷)が33.4%(16,922人)で最も多く、呼吸器疾患が28.1%(14,237人)、循環器系疾患16.6%(8,410人)。コロナウィルスによる死因は、0.3%にも満たない。コロナウィルスの影響を受けて、死者数や死因に変動は見られない。

ちなみに、男性・女性の平均寿命ともに香港が世界で最も長く、男性だと82.9歳(日本は2位で81.6歳)、女性だと88.0歳(日本は2位で87.7歳)。

 

日本

一方で、日本は厚生労働省の発表によると、2020年の全死亡者数が1,380,242人。死因のトップ3は香港と一緒だが、その%はかなり低い。厚生労働省のデータのまとめ方は少々分かりづらいが(恐らくわざとわかりづらくしている?)、僕は研究者ではないので少々大雑把に男女の人口比率が同じだと仮定して計算すると、悪性新生物(腫傷)が24.2%で最も多く、呼吸器疾患が15.4%、循環器系疾患が7.3%、肺炎が6.2%。つまり、その他の理由が大きい。

Death cause

特に香港と違うのは自殺者の多さだ。警視庁の発表によると、コロナが始まる前までは年々減少傾向にあった自殺者数は、令和2年(2021年)は21,081人で、対前年比で912人(約4.5%)増加した。

Death cause

月別自殺者数の推移のグラフを見ると、2021年7月から急激に増加傾向にあることが分かる。この時期は、安倍政権下において緊急事態宣言が初めて発表された4月から3ヶ月後である。その傾向は10月をもってピークとなっている。菅政権に変わった後は再び下降傾向にある。その後もは新型コロナの新規感染者数と自殺者数は相関があるように見える。

 

Death cause

さらに、年齢別に見ると 20〜29歳が急激に増えている。

 

Death cause

令和3年11月末時点では、既に19,113人で単純に計算すると約20,850人程度になってしまう。それでも令和2年(2021年)が21,081人だったので、再び1.1%程度の減少傾向に転じたことになる。

 

Death cause

過去には、平成10年(1998年)に自殺者数が前年の24,391人から32,863人に約35%も増加したときは、完全失業率が過去最悪だったときもあった。警視庁によると自殺の原因は、多様なかつ複合的な理由から有していて、様々な要因が連鎖する中で起こるようだが、マクロな視点で見ると経済活動がトリガーになっているケースが多そうだという推測ができる(したくはないが)。実は僕も昨年だけで3人の友人が亡くなった…

 

経済への影響

では、経済にはどのような影響があったのか?

GDP

GDP

2020年の香港の実質GDPは、対前年比で-6.1%、日本は-4.5%。香港の方が落ち込んでいる。参考までにアメリカは-3.6%、シンガポールは-5.4%だ。イギリスは、-9.7%と最悪だ。

 

倒産数

香港の倒産数は、2020年の 破産申請 は8,693件(+6.7%)で、2021年は11月までで6,633件(推定7,236件で対前年比で-16.7%)。つまり、市中感染の数値が多かった2020年の方が 破産数が多く、市中感染が落ち着いている2021年は倒産数が少ないという結果に。つまり、香港の場合は水際対策を強化して海外からの人流を抑制しても国内の倒産数は限定的なことが分かる。

 

加速する少子化問題

新型コロナが「結婚・出産」に与える影響

Family

実は、コロナ以前から香港の少子化問題は日本より深刻だ。日本の出生率が1.36に対して、香港は1.05。東京は1.15(シンガポールとほぼ同等)。さらに、香港の婚姻登録者数のデータを見ると、香港女性の平均結婚年齢はどんどん遅くなってきており、2020年時点では30.4歳。日本の女性も 29.6歳(男性は31.2歳)。香港の2020年における結婚登録者数は、歴史史上過去最低の23,515組(夫、妻ともに香港在住)。日本は令和1年までのデータしか公表されていなかった。つまり、香港のデータからは皆将来への不安が大きく、コロナ禍の今わざわざ結婚しなくても、ということなのだろう。もちろん他の要素もあるが。

Birthrate
Birthrate

新型コロナが「恋愛」に与える影響

では、恋愛にはどう影響するのだろうか?香港は幸いにも市中感染が少ないので、今では日常が戻りつつあり、恋愛アプリの登録者数や婚活パーティーなども例年通りとなっている。それに対して、日本は市中感染から緊急事態宣言が長引き、恋愛するにも新しい出会いを求める場所へ行けず、ステイホームとなる。よって、結婚や出生率も数年遅れで影響が出てくると予想している。

Love

 

教育

Auditorium

コロナは教育現場にも待ったなしだ。これは、香港と日本の対策で大きく違う。香港は、小学校などの学校を閉鎖したら共働きの親が路頭に迷うのは理解していて、過去一度も閉鎖されていない。市中感染が100人程度になっていたときもだ。今は市中感染は抑えられているので閉鎖する必要がない。

それに対して、日本は保育園や小学校などを閉鎖する判断を度々している。テレワークが進む家庭はまだマシだという考えも間違っていて、仕事をしている横を子供がウロウロしていたら気になって集中できないだろう。子供の教育に影響が出るだけでなく、親の仕事にも影響が出て、日本の対策にはあまり賛同できない。

 

企業の生産性

Googleの電車内やオフィス街の混雑状況をコロナ前と比較すると、日本は、大手企業を中心にデジタル化が進んだのか大都市を中心に混雑が緩和されている。一方香港は、市中感染が然程なかったことでデジタル化の必要性に迫られなかった。日本のデジタル化は、地方こそ伸び代があり、今後さらに期待される領域である。

 

結論

色々と盛り込もうとするあまり、非常に長くて読みづらい記事になってしまったことをお詫びしたい。

だから結論は簡潔に。僕は、日本の「先延ばし戦略」は正しいと考えている。

人々の自由はある程度確保しながら、水際対策で「できる限り」防ぐ方法は、新型コロナウィルスが国内に流入を遅らせる戦略なのだと思う。「できる限り」遅らせた分、他国のコロナ対策の成功体験を日本独自に調整する。今流行し始めている「オミクロン株」などの変異株も、日本は他のG7などと比べても「まだ」抑えられており、この間に「オミクロン株」の特性などの情報を収集し、医療体制を整備したり、今後の経済対策を議論する時間が確保できている。その間の経済活動は、国内消費に頼らざるを得ない状況だが、これは雇用助成金で企業側に、現金給付で消費者の財布に補填することで両側面から補助している。正直、香港に比べればだいぶ手厚い。

一方で、もう少し改善できるはずである。昨年自ら命を断つ方々が増加したことを踏まえると、緊急事態宣言による影響は十分に考慮するべきで、そうならないように水際対策で食い止める努力が必要である。「先延ばし戦略」で市中感染を遅らせたいのであれば、香港が導入している水際対策を参考に、厳しさのグラデーションを柔軟に変化させ、もう少し厳しくするべきである。

特に、海外からの入国者用の隔離ホテルはある程度政府が確保することで入国者の上限を厳格化し、ホテルまでの送迎を専用のバスで移動させ「バブル」を形成し、移動の道中で空気感染をしないようにするべきである。また上限を決めると感染のスピードをもう少し正しく推測しやすくなる利点もある。ここが感染源になっていることは間違いないので何かしらの改善が必要だ。

香港のデータが物語っているように、市中感染が少ない方が経済活動は活発になり、海外からの流入を抑えても国内消費だけである程度は維持できる。市中感染が多いときの方が影響が大きい。

 

それでも僕が香港に住み続ける理由

香港のコロナ対策は、厳しすぎる。特に水際対策が何重にも施されていて、出国が億劫になる。

それでも僕は香港にまだしばらくは住み続けるだろう。この街で出会う人は皆魅力的で、かつ多国籍で(もちろん同じことがシンガポールにも言える)、そういう方々から日々受ける刺激がたまらない。仕事も日本と違ってグローバルな役職が多く、その分面白い仕事に当たる確率が高い。

また、税制も日本より魅力的である。法人税、所得税はいずれも日本より安く、住民税はかからない。投資をしてもキャピタルゲインや配当などは無税。生活コストは高いが、それ以上の効果が得られる。同様の制度はシンガポールにもあるから、投資のことだけを考えればシンガポールでも良いが、知的好奇心を満たすという意味では圧倒的に香港に軍配が上がる。

 

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